
「就労移行支援を使ってみたいけど、ミラトレって実際どうなんだろう」 「公式サイトの就職率はすごいけど、悪い口コミも見かけて不安」
そう感じてこのページにたどり着いたのではないでしょうか。
僕はADHDと診断されたフロントエンドエンジニアです。今でこそ地方でフルリモート勤務をしていますが、ここに来るまでには何度も「働き続けられないかも」という壁にぶつかってきました。だからこそ、就労移行支援という選択肢を真剣に検討している方の不安は、他人事だとは思えません。
ミラトレはパーソルグループの「パーソルダイバース」が運営する就労移行支援サービスで、業界でもトップクラスの就職率・定着率を公表しています。ただ、数字がいいからといって全員に合うわけではないのも事実です。
この記事では、ミラトレの公式データ・実際の利用者の口コミ・制度面の事実を整理した上で、「どんな人に向いていて、どんな人には向かないのか」を発達障害当事者の視点で正直にお伝えします。読み終わるころには、見学に行くべきか、別の選択肢を当たるべきか、自分なりに判断できるはずです。
まず、ミラトレの基本情報を押さえておきましょう。
就労移行支援というのは、障害のある方が一般企業への就職を目指して、最長2年間(原則)トレーニングや就職活動のサポートを受けられる福祉サービスのことです。生活リズムを整えるところから、ビジネスマナー、就職活動、就職後のフォローまでを一貫してサポートしてくれます。
ミラトレはその就労移行支援事業所のひとつで、運営はパーソルダイバース株式会社。パーソルといえば、転職サービス「doda」や人材派遣で知られる大手パーソルグループの一員です。同じグループが障害者専門の転職エージェント「dodaチャレンジ」も運営しているため、訓練から就職までの導線がつながっているのが大きな特徴です。
項目 | 内容 |
|---|---|
サービス名 | ミラトレ(mirai-training) |
運営会社 | パーソルダイバース株式会社(パーソルグループ) |
対応する障害 | 身体・知的・精神・発達障害・難病など |
事業所数 | 全国15事業所(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫) |
利用料金 | 前年世帯所得で決定(多くの方が無料) |
公式の実績 | 就職率94%・定着率96%(2024年度実績) |
※事業所数・実績は公式サイト(mirai-training.jp)2025年9月時点の公表値です。
ポイントは、ミラトレが「IT特化」や「特定の障害特化」ではなく、汎用型の就労移行支援だということ。発達障害の方も多く利用していますが、うつ病や統合失調症など幅広い精神障害の方を受け入れている、いわば総合型の事業所です。
発達障害があって「とにかく長く働き続けられる職場に就きたい」「大手が運営している安心感がほしい」という方には、検討する価値が十分にあります。
「自分に合った職場が見つかるか不安」「特性をどう伝えればいいかわからない」という方は、まずは無料の見学で雰囲気を確かめてみるのがおすすめです。
評判を語る上で外せないのが実績の数字です。ここはエンジニアの職業病かもしれませんが、僕は「数字の出どころ」と「時点」が気になるタイプなので、公式の一次情報を確認しました。
ミラトレ公式サイトが公表している2024年度実績は次のとおりです。
参考までに、厚生労働省の資料では全国の就労移行支援事業所の平均就職率はおよそ5割前後、精神障害のある方の職場定着率(就職後1年)は全国平均で6割前後とされています。それと比べると、ミラトレの数字はかなり高い水準にあると言えます。
ネット上には「就職率84.8%・定着率90%」と書かれた記事も残っていますが、これは過去の年度の数値とみられます。サービスを比較するときは、できるだけ公式サイトの最新の年度実績を見るようにしてください。
ただ、ここで冷静になっておきたいことがあります。
就職率というのは「分母をどう取るか」で大きく変わる指標です。たとえば途中で辞めた人を分母に含めるかどうか、就職には特例子会社や障害者雇用枠も含まれるのか、といった条件によって印象は変わります。ミラトレの数字が誇張だとは思いませんが、「自分が利用したら必ず94%の側に入れる」という保証ではない、という前提で見るのが健全だと思います。
それでも、定着率96%という数字は素直に評価していいと感じます。発達障害のある人にとって本当にしんどいのは「就職すること」より「働き続けること」だからです。僕自身、入社できても数か月で消耗してしまった経験が何度もあります。就職後のフォローに力を入れている事業所を選ぶ、という視点は外さないでほしいところです。
ちなみに、定着の重要性については発達障害の二次障害を防ぐ方法|うつ・不安障害になる前に知っておきたい予防と対処法でも詳しく触れています。無理を続けて二次障害に至る前に、サポートを受けながら働く環境を整えるのは大事な選択です。
ここからは実際の利用者の声を見ていきます。複数の口コミサイトに掲載されている内容を整理しました(個人が特定される情報は伏せ、傾向としてまとめています)。
まず、良い評判として多かったのは次の3つの方向性です。
1. 定期面談のサポートが手厚い
「定期的な面談で、仕事のことはもちろん、生活面の悩みまで親身に聞いてもらえた」(20代・精神障害)
発達障害のある人は、仕事と生活が地続きで崩れやすい傾向があります。生活面まで含めて相談できる相手がいるのは、想像以上に支えになります。
2. dodaチャレンジ連携で求人の選択肢が広い
「dodaチャレンジと連携しているからか、非公開求人を含めてたくさんの求人を紹介してもらえた」(30代・発達障害)
これはミラトレならではの強みです。同じパーソルグループの障害者専門エージェントとつながっているため、訓練の延長線上でそのまま求人にアクセスできます。
3. 疑似就労で「働くリズム」が身につく
「実際のオフィスのように、朝礼や業務報告、チームでの作業があったので、自然と働くリズムが身についた」(40代・内部障害)
ミラトレは「疑似就労」という、実際の職場に近い環境でのトレーニングに力を入れています。発達障害の特性で生活リズムが乱れやすい人にとって、毎日通って働く形を体に覚えさせられるのは大きな意味があります。
正直なところ、この「働くリズムを取り戻す」効果は地味ですが本質的だと思います。スキルがあっても、毎朝決まった時間に動き出せなければ働き続けられません。ここを軽視しないのは好印象です。
評判記事で良い面だけ並べても意味がありません。むしろ「合わない人」を事前に見極めるほうが、あなたにとって価値があるはずです。実際の口コミから見えてきたデメリットを正直に挙げます。
1. 社会人経験者には訓練が物足りないことがある
「前職でPCスキルは一通り使っていたので、正直プログラムは簡単すぎると感じた」(20代・事務職経験者)
ミラトレは「社会人基礎力」を固めることに重きを置いています。裏を返すと、すでにビジネスマナーやPCスキルが身についている人には、内容が基礎的に感じられる場合があります。
2. 専門スキル(特にIT)を学ぶ場所ではない
ここはエンジニアの僕としてはっきり言っておきたいところです。ミラトレはプログラミングやデータ分析といった専門スキルを集中的に習得する場所ではありません。「未経験からITスキルを身につけて就職したい」という目的なら、AI・データサイエンスに特化した就労移行支援など別の選択肢のほうが合っています。
3. 事業所が首都圏・関西・東海に限られる
これは制度というより物理的な制約です。事業所は東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫の15か所のみ。地方在住の方は通えないケースが多くなります。
4. 交通費・昼食代は自己負担
「毎日の交通費と昼食代が積み重なると結構な負担になる」(40代・身体障害)
利用料そのものは無料になる人が多い一方、通所にかかる交通費や昼食代は基本的に自己負担です。毎日通うと意外とかさみます(自治体によっては交通費補助がある場合もあるので確認を)。
5. 事業所ごとに雰囲気の当たり外れがある
「見学した事業所は雰囲気が合わなくて、結局少し遠い別の事業所に決めた」(30代・精神障害)
これはミラトレに限らず就労移行支援全般に言えることですが、結局のところ「人」と「空気」で決まる部分が大きいです。だからこそ、申し込む前に必ず見学・体験をして、自分の感覚で確かめてほしいと思います。
ここまで読んで、思い当たる節はありませんか。「専門スキルを学びたいわけじゃない、まずは安定して働ける土台がほしい」という人ほど、ミラトレの方向性は噛み合います。逆に「ITスキルでキャリアを作りたい」人は、後述の比較も読んでから判断してください。
ミラトレが自分の目的に合いそうか確かめる一番早い方法は、見学に行ってスタッフと話してみることです。合わなければ断ればいいだけなので、リスクはありません。
「無料って書いてあるけど、何か裏があるんじゃないか」と疑ってしまう気持ち、よくわかります。ここは制度の事実を正確に説明します。
就労移行支援の利用料は、前年の世帯所得に応じて自己負担の上限が決まります。これは厚生労働省が定めたルールで、ミラトレ独自の料金設定ではありません。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
ミラトレ公式によれば、9割以上の方が自己負担なしで利用しているとのこと。区分の判定は本人ではなく「世帯」の所得で見るため、たとえば配偶者や親の収入が多いと自己負担が発生する場合があります。気になる方は申し込み前に自治体の窓口で確認してみてください。
なお、前述のとおり交通費や昼食代は別途自己負担になる点だけは押さえておきましょう。
発達障害の診断は受けたけれど、障害者手帳はまだ持っていない、という方は多いと思います。ここはよく誤解される点なので丁寧に書きます。
結論から言うと、手帳がなくても利用できる場合があります。
就労移行支援を利用するために必要なのは、手帳そのものではなく、市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」です。そして、この受給者証は手帳がなくても、医師の診断書(意見書)や定期的な通院の事実があれば、自治体の判断で交付されることがあります。
ただし「必ず利用できます」と断言はできません。最終的に判断するのはお住まいの自治体だからです。手帳の有無や受給者証の取得可否は、ミラトレの見学時に相談するか、自治体の障害福祉窓口に問い合わせるのが確実です。
手帳の取得を迷っている方は、障害者手帳のメリット・デメリット|発達障害で取得を迷っている方への完全ガイドもあわせて読んでみてください。手帳が必要なケース・なくても進められるケースが整理できると思います。
ここまでの内容を踏まえて、僕なりに「向き不向き」を整理します。
ミラトレが向いている人
ミラトレがあまり向いていない人
特に発達障害のあるエンジニア志望の方には、僕は正直に「目的が違う」と伝えたいです。ミラトレは働く土台を作るのは得意ですが、コードを書けるようにする場所ではありません。スキル習得が目的なら、別軸のサービスを検討するほうが回り道になりません。
このあたりの「自分に合った支援タイプの選び方」は、就労移行支援とは?発達障害者が利用するメリットとおすすめ事業所の選び方で網羅的に解説しています。事業所選びで迷っている方は先にこちらを読むと、判断軸がはっきりします。
「結局、どこを選べばいいの?」という方のために、タイプ別の位置づけを整理しておきます。
タイプ | 特徴 | こんな人に向く |
|---|---|---|
汎用・大手型(ミラトレ) | 幅広い障害に対応・定着支援が手厚い・大手の安心感 | 長く働き続けたい、安定重視 |
IT・専門特化型 | プログラミングやデータ分析など専門スキル習得 | 未経験からIT職に就きたい |
発達障害専門型 | 発達障害に特化したプログラム設計 | 特性に特化した支援を受けたい |
在宅特化型 | 自宅からオンラインで訓練 | 通所が難しい・在宅で進めたい |
ミラトレの立ち位置は「汎用・大手型」。尖った特化型ではないぶん、幅広い人にとって外しにくい選択肢だと言えます。一方で、目的がはっきりしている人(ITスキルを学びたい等)は、特化型のほうが満足度は高くなりやすいです。
各サービスを並べて比較したい方は、発達障害者向け就労支援サービス徹底比較で複数事業所を整理しています。ミラトレが自分の優先順位に合うか、横並びで確かめてみてください。
実際に使うとなったら、どんなステップを踏むのか。大まかな流れはこうです。
いきなり申し込む必要はありません。まずは見学だけして「合いそうか」を肌で確かめるのが、いちばん失敗しないやり方です。見学は無料で、その場で契約を迫られることもありません。
ミラトレの評判を、公式データと実際の口コミの両面から検証してきました。最後に要点を振り返ります。
総じて、「発達障害があって、まずは安定して長く働ける土台を作りたい」という人には、有力な選択肢だと思います。逆に目的が専門スキル習得なら、別軸のサービスを検討したほうが近道です。
迷っているなら、見学に行くのがいちばん早い判断材料になります。資料を眺めているだけでは、自分に合うかどうかは結局わかりません。
「自分に合った職場が見つかるか不安」「特性をどう伝えればいいかわからない」
そんな悩みを抱えているなら、定着支援に強いミラトレに一度相談してみてください。見学・体験は無料で、その場で契約を求められることはありません。実際の雰囲気を見てから、利用するかどうかをゆっくり決められます。
ミラトレが汎用・定着重視なのに対し、「IT職で手に職をつけたい」「発達障害に特化した支援がいい」という方は、目的に合う事業所を選ぶとミスマッチを防げます。下の表で目的別に整理しました(いずれも見学・説明会は無料です)。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
大手パーソルグループ運営。就職率94%・定着率96%で定着支援が手厚い | 長く働き続けたい・安定を重視したい方 | |
AI・データサイエンスなどIT特化の就労移行(同じパーソルグループ) | エンジニア・IT職で手に職をつけたい方 | |
発達障害"専門"の就労移行プログラム・定着率91% | 発達障害に特化した支援を受けたい方 |
見学・相談はすべて無料です。まずは気軽に話を聞いてみてください。
この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
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