障害者手帳のメリット・デメリット|発達障害で取得を迷っている方への完全ガイド

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障害者手帳のメリット・デメリット|発達障害で取得を迷っている方への完全ガイド
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「障害者手帳を取った方がいいのかな...」「手帳を持つことにデメリットはないの?」

発達障害(ADHD・ASD)の診断を受けた後、多くの方が悩むのが障害者手帳の取得です。「取得したら周りにバレるのでは」「一度取ったら取り消せないのでは」といった不安を抱えている方も少なくありません。

結論から言うと、障害者手帳はメリットが多く、デメリットは思っているほど大きくないというのが多くの当事者の実感です。ただし、全員に必要というわけではありません。

僕自身、ADHDと診断されたエンジニアで、これまでの転職でクローズ(手帳を使わず一般雇用)とオープン(手帳を提示して障害者雇用もしくは一般雇用・配慮あり)の両方を経験しています。現職は手帳を提示してオープンで働いています。

この記事では、手帳取得を迷っている方に向けて、公的データと著者の実体験をベースにメリット・デメリットを正直に整理し、取得の判断に必要な情報をお伝えします。

フルリモートで働きたい方は発達障害者にとってフルリモートは天国だった件もあわせて参考にしてください。

発達障害で取得できる「精神障害者保健福祉手帳」とは

発達障害の方が取得できるのは精神障害者保健福祉手帳です。等級は1級から3級まであり、発達障害の場合は2級または3級に該当するケースが多いです(出典: 厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳)。

等級

対象となる状態

発達障害での該当

1級

日常生活に常時援助が必要

まれ

2級

日常生活に著しい制限がある

二次障害がある場合など

3級

日常生活・社会生活に制限がある

多くの発達障害者が該当

重要なポイント

  • 障害者手帳の取得には、初診日から6ヶ月以上経過していることが条件
  • 有効期限は2年間(更新が必要)
  • 取得も返納も自分の意思で自由にできる

「一度取ったら一生持たなければいけない」というのは誤解です。不要になればいつでも返納できます。

診断を受けること自体を迷っている方は、発達障害の診断を受けるべきか|エンジニアとしてのメリット・デメリットもあわせて読んでみてください。

障害者手帳を取得する7つのメリット

1. 障害者雇用枠で転職できる

障害者手帳の最大のメリットは、障害者雇用枠での就職・転職が可能になることです。

障害者雇用枠のメリットは以下の通りです。

  • 合理的配慮を前提とした職場環境が整っている
  • 通院や体調不良時の休暇が取りやすい
  • 特性を理解した上で業務内容を調整してもらえる
  • 大手企業の求人が多い(法定雇用率の達成義務があるため)

僕自身は4社目まで手帳を使わずクローズで転職していましたが、現職に転職する際に手帳を取得し、オープンで採用されました。「面接で特性を伝える」だけでなく「手帳という公的な証明を提示できる」ということで、企業との交渉がスムーズに進んだ印象です。

障害者雇用枠での転職を検討している方は、発達障害の特性を理解した専門のアドバイザーに相談するのが近道です。dodaチャレンジで障害者雇用の求人を探す

2. 転職エージェントの専門サポートが受けられる

手帳を持っていると、障害者雇用に特化した転職エージェントを利用できます。

サービス

特徴

こんな方におすすめ

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障害者雇用の求人数業界最大級

選択肢を広げたい方

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障害者転職支援実績No.1

手厚いサポートが欲しい方

気になったサービスがあれば、登録・相談は無料です。一人で抱え込まず、まずは話を聞いてみるところから始めてみてください。

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3. 税金の控除が受けられる

障害者手帳を持っていると、所得税・住民税の障害者控除が適用されます(出典: 国税庁 障害者控除)。

控除の種類

控除額(所得税)

控除額(住民税)

障害者控除(3級)

27万円

26万円

特別障害者控除(1・2級)

40万円

30万円

年収400万円の場合、障害者控除により年間約5~8万円の節税効果が見込めます。確定申告または年末調整で申請できます。

4. 公共料金・交通費の割引

自治体やサービスによって異なりますが、以下のような割引を受けられる場合があります。

  • NHK受信料の免除(所得条件もあり、詳細はNHK受信料免除公式ページで確認)
  • 携帯電話料金の割引(ドコモ「ハート割」、au「スマイルハート割引」、ソフトバンク「ハート友割引」等)
  • 美術館・映画館の割引(多くの障害者本人・介護者が半額以下に)
  • 公共施設の利用料割引(スポーツジム、プール等)
  • 一部の交通機関の割引(自治体・交通事業者による)

割引の内容は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の障害福祉担当課で確認してみてください。

5. 就労移行支援サービスが利用しやすくなる

就労移行支援は医師の診断書でも利用できますが、手帳を持っていると手続きがスムーズになります。また、自治体によっては手帳所持を条件としている支援サービスもあります。

6. 医療費の助成(自治体による)

一部の自治体では、障害者手帳を持つ方に対して医療費の助成制度を設けています。通院にかかる費用が軽減される可能性があるため、確認する価値があります。

7. 心理的な安心感

意外と大きいのが、心理的なメリットです。

僕自身、手帳を取得したときに「自分の困りごとは公的に認められた」という感覚がありました。診断だけでは「医者の認識」のレベルですが、手帳は「行政としての認識」になります。「自分はダメだ、甚えているだけ」と思い込みそうになるとき、手帳を見ると「あ、これは公的に認められている状態」と心を落ち着かせられるのです。

障害者手帳のデメリットと誤解

実際のデメリット

正直に言うと、大きなデメリットはほとんどありません。ただし、以下の点は知っておく必要があります。

デメリット

詳細

対処法

取得に手間がかかる

診断書の準備、1~2ヶ月の審査期間

主治医に相談し、必要書類を確認する

2年ごとの更新が必要

期限切れに注意

スマホのリマインダーで管理する

年末調整でやや不便

控除を会社で受けると経理担当に伝わる

確定申告で自分で手続きする

診断書作成費用

5,000〜10,000円程度(医院による)

主治医に事前に確認

よくある誤解と事実

誤解1:「会社にバレるのでは?」

手帳を持っていることを会社に伝える義務はありません。年末調整で障害者控除を申請すると会社の経理担当者が知る可能性はありますが、確定申告で自分で申請すれば会社に知られることはありません

僕もクローズで働いていたときは確定申告で自分で障害者控除を申請していました。会社で手帳のことが話題に上がることは一度もありませんでした。

誤解2:「一度取ったら取り消せない」

前述の通り、いつでも返納できます。2年ごとの更新時に更新しなければ自動的に失効します。外見上も「手帳を持っていること」がわかるようなシールはありません。

誤解3:「障害者手帳を持つと保険に入れなくなる」

一般的な生命保険や医療保険では、手帳の有無ではなく健康状態や通院歴が告知事項です。手帳を取得したこと自体が保険加入を妨げるわけではありませんが、通院中の場合は告知義務があります。保険については個別のケースが多いため、保険会社に直接確認することをおすすめします。

誤解4:「戸籍や住民票に記載される」

障害者手帳の情報は戸籍にも住民票にも記載されません。プライバシーは守られています。子供の進学・就職、結婚にも影響しません。

職場への開示について詳しく知りたい方は、発達障害をカミングアウトした結果|職場での変化と対処法も参考になります。

障害者手帳の取得手続き

取得を決めた場合の流れをまとめます。

ステップ

やること

期間の目安

1

主治医に手帳取得の意向を伝える

-

2

主治医に診断書を作成してもらう

1〜2週間

3

市区町村の窓口で申請する

即日

4

審査・交付

1〜2ヶ月

申請に必要なもの

  • 医師の診断書(所定の様式、初診日から6ヶ月以上経過していることが条件)
  • 証明写真(縦4cm × 樧3cm)
  • マイナンバーが確認できる書類
  • 本人確認書類

費用は診断書代のみ(5,000〜10,000円程度)で、手帳自体の交付は無料です。

こんな方は取得を検討してみてください

以下に当てはまる方は、障害者手帳の取得を前向きに検討する価値があります。

  • 障害者雇用枠での転職を考えている方 ー 手帳がないと応募できない求人が多い
  • 職場での合理的配慮を求めたい方 ー 手帳があると配慮を求める根拠になる
  • 税金の控除を受けたい方 ー 年間数万円の節税効果
  • 就労移行支援を利用したい方 ー 手続きがスムーズに
  • 「自分の困りごとを公的に認めたい」と感じている方 ー 心理的な安心感がある

一方、「現在の職場で問題なく働けている」「一般枠での転職を考えている」という方は、無理に取得する必要はありません。状況が変わったときに改めて検討すれば十分です。

合理的配慮の具体的な求め方については、職場での合理的配慮の求め方完全ガイドで詳しく解説しています。クローズでいくかオープンでいくか迷っている方は、発達障害のクローズ就労完全ガイドも参考にしてください。

著者が「クローズ」から「オープン」に切り替えた理由

参考までに、僕が現職に転職するタイミングで手帳を取得し、オープンに切り替えた理由を共有します。

  1. クローズだと「長期的に姿勢を作る」が難しい ー その都度「体調不良」を言い訳にするのがストレスだった
  2. 会社との交渉がスムーズになった ー 手帳という公的証明が「品証」代わりになる
  3. 障害者雇用枠の求人も見られるようになる ー 選択肢が広がった
  4. 節税効果がある ー 年収800万だと障害者控除で年間8万円以上の節税

逆にクローズを選んだタイミングもありました。「手帳はツール」として考え、その職場・そのタイミングで「使うか」「使わないか」を選ぶのがべストだと思います。

まとめ

障害者手帳の取得は、発達障害を持つ方にとって選択肢を広げるためのツールです。

この記事のポイント

  1. 発達障害では精神障害者保健福祉手帳(2級・3級が多い)を取得できる
  2. 最大のメリットは障害者雇用枠での転職税控除
  3. デメリットは取得の手間程度で、大きなリスクはない
  4. 会社に知られずに持つことも可能(確定申告で対応)
  5. いつでも返納できるので、まず取得してみるのも一つの方法

迷っているなら、まずは主治医に相談してみることをおすすめします。手帳を持っていても使わなければ何も変わりませんが、持っていればいざというときの選択肢が広がります

障害者雇用枠での転職を考え始めたら、発達障害の特性を理解した専門エージェントへの相談が第一歩です。atGPに無料で相談する

転職活動の全体的な進め方については、発達障害の転職で失敗しない7つのポイントもあわせて確認してみてください。

ご注意

この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。

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この記事を書いた人

りく

  • ADHD当事者
  • 転職5回経験
  • 現役エンジニア
  • フルリモート勤務

社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収1200万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。

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