発達障害の障害者手帳|取得方法と申請の流れ完全ガイド

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発達障害の障害者手帳|取得方法と申請の流れ完全ガイド
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「障害者手帳って、発達障害でも取れるの?」「取りたいけど、どこに何を出せばいいのか、まったくわからない」

診断を受けたあと、こんなふうに手続きの入り口で止まってしまう方は本当に多いです。役所のサイトを開いても、専門用語と細かい条件が並んでいて、結局「で、私は何から始めればいいの?」がわからないまま閉じてしまう。僕自身、ADHDの当事者として制度を調べたとき、最初の壁はまさにここでした。

この記事では、発達障害のある方が障害者手帳をどう取るかに絞って、実際の流れを順番に整理します。具体的には次のことがわかります。

  • 発達障害で取れるのはどの手帳で、療育手帳とどう違うのか
  • 1級・2級・3級という等級の目安
  • 初診から申請、審査、交付までの具体的なステップ
  • 申請に必要な書類と、用意するときの注意点
  • 交付までにかかる期間・費用、そして更新のこと

なお、「そもそも手帳を取るべきか、メリットとデメリットで迷っている」という方は、判断材料を整理した障害者手帳のメリットとデメリットを先に読んでみてください。この記事は「取ると決めた/取る方向で具体的に調べたい」人向けの実務ガイドとして書いています。

発達障害で取得できる障害者手帳の種類

まず押さえておきたいのが、障害者手帳には3つの種類があるということです。

手帳の種類

主な対象

精神障害者保健福祉手帳

統合失調症、うつ病、発達障害などの精神疾患

療育手帳

知的障害

身体障害者手帳

視覚・聴覚・肢体不自由などの身体障害

発達障害(ADHD・ASDなど)のある方が対象になるのは、原則として精神障害者保健福祉手帳です。「精神」という言葉に身構えてしまう方もいますが、発達障害はこの手帳の判定基準にきちんと含まれていて、対象として位置づけられています。

療育手帳になるケースもある

ひとつ注意したいのが、知的障害をともなう場合です。発達障害と知的障害の両方がある方は、精神障害者保健福祉手帳と療育手帳の両方を持つことができます。知的障害のみであれば療育手帳の対象になります。

「自分はどちらに当てはまるのか」は、見た目や自己判断ではわからない部分です。ここはあとで触れる主治医や自治体の窓口で確認するのが確実なので、現時点では「発達障害は基本的に精神障害者保健福祉手帳」とだけ覚えておけば大丈夫です。

ちなみにこの記事では、いちばん多いケースである精神障害者保健福祉手帳を中心に解説していきます。

発達障害の手帳の等級(1級・2級・3級)の目安

精神障害者保健福祉手帳には、1級・2級・3級の等級があります。これは精神疾患の状態と、日常生活・社会生活での制限の程度を総合的に見て判定されるものです。厚生労働省の判定基準では、おおまかに次のように分けられています。

等級

状態の目安

1級

日常生活を自分で送ることがほぼできない程度

2級

日常生活に著しい制限があり、援助を必要とする程度

3級

日常生活または社会生活に制限を受ける程度

発達障害だけで申請する場合、3級か2級になることが比較的多いと言われますが、これはあくまで傾向の話です。二次障害(うつや不安障害など)の有無や、生活への影響の大きさによって変わります。

ここで正直にお伝えしておきたいのが、等級は自分では決められないということです。診断書の内容をもとに、各自治体の精神保健福祉センターが審査して判定します。「3級だと思っていたのに2級だった(あるいはその逆)」というのは珍しくありません。だから、申請前から等級を気にしすぎる必要はないと僕は思っています。まずは要件を満たしているかどうかのほうが大事です。

では、その「要件」とは何か。次の章で、申請までの流れに沿って具体的に見ていきます。

障害者手帳の申請の流れを4ステップで解説

ここがこの記事の本題です。精神障害者保健福祉手帳の申請は、大きく分けると次の4ステップで進みます。

ステップ1:初診日から6か月以上経過しているか確認する

意外と見落とされがちな、でも最初に確認すべき条件がこれです。

精神障害者保健福祉手帳を申請するには、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要です。初診日というのは、その症状で初めて医療機関を受診した日のこと。「診断が確定した日」ではなく「初めて受診した日」が基準になる点に注意してください。

たとえば、半年前に「最近どうも仕事のミスが多くて」と受診し、後日の検査でADHDと診断された場合、起点になるのは最初に受診した日です。逆に、診断を受けたばかりでまだ初診から数か月という方は、6か月が経つのを待つ必要があります。

「初診日がいつだったか自信がない」という方は、通院しているクリニックに確認すれば教えてもらえることが多いです。診察券やお薬手帳が手がかりになることもあります。

ステップ2:市区町村の窓口で申請書を受け取り、診断書を依頼する

6か月の条件を満たしたら、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へ。ここで申請書を受け取り、手続きの流れや必要書類を確認します。多くの自治体では申請書の様式をホームページからダウンロードすることもできます。

申請には所定の様式の診断書が必要になるので、これを主治医に書いてもらいます。診断書には作成時期のルールがある点に注意してください。たとえば東京都では、初診日から6か月経過後に作成されたもので、申請日からおおむね3か月以内のものとされています。診断書をもらってから申請までモタついていると、期限切れで書き直しになることもあるので、診断書を受け取ったら早めに窓口へ向かうのがおすすめです。

なお、精神障害を支給事由とする障害年金を受給している方は、診断書の代わりに年金証書の写しなどで申請できる場合があります。当てはまる方は窓口で確認してみてください。

ステップ3:必要書類をそろえて窓口に提出する

申請書・診断書・写真などをそろえて窓口に提出します(具体的な書類は次の章でまとめます)。提出時にはマイナンバーの記載や本人確認が求められるのが一般的です。提出が済むと、書類は精神保健福祉センターへ送られ、審査の段階に入ります。

ステップ4:審査・判定を経て手帳が交付される

提出された書類は、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターで審査・判定されます。等級もここで決まります。判定が通れば、自治体を通じて手帳が交付されます。

審査から交付までは、おおむね1〜2か月ほど。自治体や時期によって前後しますし、交付方法(紙かカードか)によっても多少変わるようです。「いつ届くんだろう」と不安になりますが、ここは待ちの時間です。

ここまでが申請の全体像です。文字にすると工程が多く見えますが、やること自体は「窓口に行く → 診断書を依頼する → 書類を出す → 待つ」のシンプルな流れです。次に、つまずきやすい「必要書類」を表で整理します。

障害者手帳の申請に必要な書類一覧

申請時に必要になる書類を整理しました。自治体によって細かい違いがあるため、これは「一般的な一覧」として見てください。

書類

ポイント・注意点

申請書

窓口で受け取るか、自治体サイトからダウンロード

診断書(所定様式)

初診日から6か月経過後に作成。申請日からおおむね3か月以内のものが求められることが多い

障害年金証書の写しなど

精神障害を支給事由とする障害年金受給者は、診断書の代わりに使える場合がある

本人の写真

縦4cm×横3cm、脱帽・上半身。おおむね最近1年以内に撮影したもの

マイナンバー関連書類

新規・更新・等級変更・転居時にマイナンバーの記載が必要。本人確認書類とあわせて提示

写真は証明写真機やスマホでも用意できますが、サイズ指定(縦4cm×横3cm)があるので注意してください。サイズ違いで撮り直しになると地味に手間です。

繰り返しになりますが、必要書類や様式は自治体ごとに差があります。ここに挙げたのはあくまで目安なので、実際に動く前に、お住まいの市区町村のホームページか窓口で最新の一覧を確認してください。これが結局いちばんの近道です。

取得までにかかる期間と費用

「結局、申し込んでからどのくらいで手帳が手に入るの?」「お金はかかるの?」というのも、気になるところだと思います。

期間の目安

  • 初診から申請まで:初診日から最低6か月(要件のため)
  • 申請から交付まで:おおむね1〜2か月

つまり、診断を受けたばかりの方は「6か月待つ → 申請 → さらに1〜2か月」というスケジュール感になります。思っていたより時間がかかる、と感じた方もいるかもしれません。早めに動き出すに越したことはありません。

費用について

手帳の申請手数料そのものは、基本的にかかりません。ただし、見落としがちなのが診断書の作成費用です。これは医療機関に支払うもので、金額は病院によって幅がありますが、数千円程度かかるのが一般的です(健康保険の対象外で自費になることが多いです)。

「申請は無料」とだけ覚えていると診断書代で少し驚くことがあるので、頭の片隅に入れておいてください。正確な金額は、診断書を依頼する際に通院先で確認するのが確実です。

障害者手帳の有効期限・更新・等級変更

手帳は一度取ったら一生有効、というものではありません。

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年です。継続して使いたい場合は更新の手続きが必要になります。更新申請は、有効期限の3か月前から受け付けている自治体が多いです。更新時にも、原則として新しい診断書が必要になります。

更新を忘れて期限が切れてしまうと、サービスを受けられない空白期間が生まれることがあります。手元のカレンダーやスマホのリマインダーに「期限の3か月前」を登録しておくと安心です。ADHD当事者としては、ここは仕組みで対策しておきたいところです。

また、状態が変わったときには等級変更の申請もできます。二次障害が重くなった、あるいは生活が安定して制限が軽くなった、といった変化があれば、医師と相談のうえで検討してみてください。

手帳を取得したあとの選択肢

手帳の取得はゴールではなく、むしろ「働き方や生活の選択肢を広げるためのスタート」だと僕は捉えています。手帳を持つことで使えるようになる代表的なものを挙げておきます。

  • 障害者雇用枠での就職・転職:手帳があると応募できる求人の幅が広がります。仕組みを知りたい方は障害者雇用とはをどうぞ。
  • 就労移行支援などの支援サービス:働く準備を整えたい方向けの福祉サービスです。詳しくは就労移行支援とはで解説しています。
  • 税の控除や各種割引:所得税・住民税の控除や、自治体・事業者によるサービス割引などが受けられる場合があります。

「自分はどの選択肢が合っているんだろう」と迷ったら、支援サービスを横断的に整理した就労移行支援サービス比較も参考になると思います。

手帳を取った=必ず障害者雇用で働かなければならない、というわけではありません。一般雇用で働きながら税控除だけ活用する、という使い方もできます。あくまで自分のペースで、使えるところを使えばいい。そう考えると、少し気が楽になりませんか。

よくある質問

発達障害だと手帳は何級になりますか?

発達障害のみの申請では3級か2級になるケースが比較的多いとされますが、これはあくまで傾向です。等級は診断書の内容をもとに精神保健福祉センターが審査して決めるため、事前には確定できません。等級を気にしすぎるより、まず初診から6か月という要件を満たしているかを確認するのが先です。

手帳を取ると、会社や周りに知られてしまいますか?

申請したことが自動的に勤務先や周囲に通知されることはありません。手帳を持っていることを誰に伝えるかは、基本的に自分で決められます。障害者雇用枠を使う場合など、開示が前提になる場面もありますが、それも自分の選択次第です。

一度取得したら、やめられないのですか?

手帳は更新制(2年ごと)なので、更新しなければ自然に効力がなくなります。返納の手続きをすることもできます。「一度取ったら一生背負う」というものではないので、その点は安心してください。

診断を受けたばかりですが、すぐ申請できますか?

初診日から6か月以上経過していることが要件なので、初診から間もない場合は6か月を待つ必要があります。「診断日」ではなく「初めて受診した日」が起点になる点に注意してください。

発達障害の診断自体をまだ受けていません。どうすれば?

手帳の申請には医師の診断が前提になります。診断は医師にしかできません。気になる症状がある方は、まず精神科や心療内科などの医療機関に相談してください。診断を受けるかどうか自体を迷っている段階の方も多いと思いますが、その判断は専門家と一緒に進めるのが安心です。

まとめ:まずは「初診6か月」と「自治体窓口」から

発達障害のある方の障害者手帳について、取得方法と申請の流れを整理してきました。最後にポイントを振り返ります。

  • 発達障害で対象になるのは原則精神障害者保健福祉手帳(知的障害をともなう場合は療育手帳も)
  • 等級は1〜3級。判定するのは自治体(精神保健福祉センター)で、自分では決められない
  • 申請には初診日から6か月以上の経過が必要
  • 流れは「窓口で申請書 → 主治医に診断書を依頼 → 書類提出 → 審査・交付(1〜2か月)」
  • 有効期限は2年で、更新が必要

制度の細かい部分は自治体によって差があり、診断や等級の判断は医師・専門機関の領域です。この記事は全体像をつかむためのガイドとして使っていただき、実際に動くときは必ずお住まいの自治体窓口と主治医に確認してください。これがいちばん確実で、結局いちばん早いです。

なお、「そもそも自分に手帳が必要なのか、メリットとデメリットを比べて決めたい」という方は、障害者手帳のメリットとデメリットで判断材料を整理しています。あわせて読んでみてください。


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この記事を書いた人

りく|ADHD当事者のフロントエンドエンジニア。転職を5回経験し、現在は地方在住・フルリモートで年収1200万円。低学歴・地方からのスタートでも、自分の特性に合った働き方にたどり着けることを身をもって実感しています。手帳取得を迷っている方に、煽らず・脅さず、フラットな情報をお届けすることを大事にしています。

ご注意

この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。

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この記事を書いた人

りく

  • ADHD当事者
  • 転職5回経験
  • 現役エンジニア
  • フルリモート勤務

社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収1200万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。

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