ADHD当事者エンジニアのChatGPT仕事術5選|コピペで使えるプロンプト付き

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ADHD当事者エンジニアのChatGPT仕事術5選|コピペで使えるプロンプト付き
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「あいまいな指示をもらっても、何から手をつければいいかわからない」 「メールの文面を考えているうちに、午前中が終わっていた」 「長い資料を読むと、途中で何の話だったか見失う」

発達障害(ADHD・ASD)のある方が、こういう場面で固まってしまうのは、サボっているからでも能力が低いからでもありません。段取りや優先順位づけ、文章のトーン調整といった「実行機能」と呼ばれる脳の働きが、もともと苦手なだけです。

僕はADHDと診断されたフロントエンドエンジニアです。地方でフルリモート勤務をしています。正直に言うと、今でもタスク管理は得意ではありません。それでもなんとか働けているのは、ここ2年ほどChatGPTを「自分の外側にあるもう一つの脳」として使うようになったからです。

この記事では、僕が実務で毎日使っている生成AIの活用法を、コピペでそのまま試せるプロンプト例つきで紹介します。あわせて、AIに任せてはいけないことや注意点も正直に書きます。読み終わるころには、「これなら明日から自分の困りごとを一つ減らせそうだ」と思えるはずです。

なぜ発達障害とChatGPTの相性がいいのか

まず、活用法に入る前に「なぜ相性がいいのか」を整理しておきます。ここを理解しておくと、自分のどの困りごとにAIを当てればいいかが見えてきます。

ADHDやASDのある人が職場でつまずきやすいポイントは、能力そのものというより「段取り」の部分に集中していることが多いです。

苦手になりやすい場面

背景にある特性

AIが肩代わりできること

何から手をつけるか決められない

タスク分解・優先順位づけの困難

大きな仕事を小さな手順に割る

あいまいな指示が理解できない

抽象的な情報の処理が苦手

指示を具体的なToDoに翻訳する

メールの言い回しに時間がかかる

言葉のトーン調整が難しい

文面のたたき台・敬語の調整

長文を読むと迷子になる

ワーキングメモリの容量の問題

要点を3行に要約する

雑談や報連相が緊張する

会話の即興が苦手

言い方の練習相手になる

ポイントは、ChatGPTが「24時間文句を言わずに、何度聞いても怒らない相棒」だということです。人に「これってどういう意味ですか」と何度も聞き返すのは気が引けます。でもAI相手なら、納得いくまで聞き直せる。この心理的なハードルの低さが、僕にとっては一番大きかったです。

専門的に言うと、ChatGPTは実行機能のうち「外在化できる部分」を肩代わりしてくれる道具です。手帳やリマインダーの延長線上にある、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

補足:実行機能とは、目標に向かって計画を立て、優先順位をつけ、行動を切り替える脳の働きの総称です。ADHDではこの機能に偏りが出やすいと言われています。AIはこの機能を「治す」ものではなく、外から補う杖のようなものだと考えてください。

では、具体的にどう使うのか。ここからは僕が実際に使っている5つのシーンを、プロンプトつきで紹介します。

活用シーン1:あいまいな指示をタスクに分解する

僕がAIに一番助けられているのが、これです。

「あの件、いい感じに進めておいて」みたいな指示をもらうと、頭が真っ白になります。何が「いい感じ」なのか、どこから始めればいいのか、全体像が見えないと一歩も動けない。これはADHDの方には共感してもらえると思います。

そんなとき、僕は指示の内容をそのままChatGPTに貼り付けて、こう頼みます。

以下の仕事を、初心者でも迷わず実行できるレベルまで具体的な手順に分解してください。各手順は1つの動作で完結するようにし、所要時間の目安も添えてください。

【仕事の内容】 (ここに上司からの指示やメモを貼る)

すると、「①関係者に連絡先を確認する(5分)」「②たたき台を作る(30分)」のように、行動レベルまで割ってくれます。大きな塊だと動けないのに、小さな一歩に分けてもらえると、不思議と最初の一個に手が伸びるんですよね。

最初にやったときは、正直「こんなことまで聞いていいのか」と半信半疑でした。でも分解された手順を見て、自分が何に詰まっていたのかが初めて言語化できて、少し拍子抜けしたのを覚えています。

タスク分解そのものの考え方は、職場で実践できるADHDの段取り改善術|先延ばしを防ぎタスクを確実にこなす方法で詳しく解説しているので、AIと合わせて読むと理解が深まります。

活用シーン2:メール・チャットの下書きとトーン調整

文章を書くこと自体は嫌いじゃないのに、「相手にどう受け取られるか」を考え始めると手が止まる。ASDの方には特に多い悩みだと思います。

僕の場合、伝えたい内容を箇条書きで殴り書きして、トーンの調整だけAIに任せています。

以下の要点を、取引先に送る丁寧なビジネスメールにしてください。へりくだりすぎず、簡潔で読みやすい文章にしてください。

・納期を3日延ばしてほしい ・理由は仕様変更の対応 ・代わりに〇〇は前倒しできる

逆に「自分の書いた文章がきつく見えないか不安」というときは、すでに書いた文面を貼って「角が立たない言い方に直して」と頼みます。

ここで大事なのは、AIの文章をそのまま送らないことです。あくまで「たたき台」として受け取り、自分の言葉に少し直してから送る。AIの文章は丁寧すぎて、かえって他人行儀になることがあるからです。僕も最初の頃、AIが作った完璧すぎる謝罪メールを送って、相手に「急にどうした」と心配されたことがあります。

文章作成全般の困りごとについては、発達障害者のための仕事効率化ツール活用術|特性に合わせたデジタルツールの選び方と使い方でAI以外のツールも紹介しているので、組み合わせて使ってみてください。

活用シーン3:長い資料を3行に要約させる

長文を読んでいると、3段落目あたりで最初の話を忘れている。これ、ワーキングメモリ(短期的に情報を保持する力)の問題で、頑張りで何とかなるものではありません。

会議資料やマニュアル、長いメールを読むときは、本文をコピーしてこう頼みます。

以下の文章を、要点を3つの箇条書きにまとめてください。その後で、「自分が次に取るべき行動」が含まれていれば、それだけ別に抜き出してください。

(ここに本文を貼る)

要約だけでなく「自分が何をすればいいか」まで抜いてもらうのがコツです。情報を受け取るだけで終わらず、行動につながるからです。

ただし、ここには大きな落とし穴があります。AIの要約は、ときどき元の文章にない内容を「それっぽく」作ってしまうことがあるんです。これをハルシネーション(AIがもっともらしい嘘を生成する現象)と呼びます。重要な数字や日付は、必ず元の資料で確認してください。要約は「読む前のあたりをつける道具」と割り切るのが安全です。

活用シーン4:面接や報連相を練習する

ここまで読んで、「文章はいいけど、会話やとっさの受け答えはどうにもならない」と思った方はいませんか。実は会話こそ、AIが地味に効くところです。

ChatGPTは、ロールプレイの相手になってくれます。僕は転職活動のとき、面接官役をやってもらいました。

あなたは障害者雇用枠の中途採用の面接官です。私はADHDのあるWebエンジニアです。これから面接の練習をします。1問ずつ質問してください。私が答えたら、回答へのフィードバックと改善案を返してから、次の質問に進んでください。

これを繰り返すと、本番で「想定外の質問」に固まる確率がぐっと減ります。とっさの返答が苦手でも、一度練習した型があれば落ち着けるからです。

報連相も同じで、「この内容を上司に1分で口頭報告する練習がしたい」と頼めば、相手役と添削をしてくれます。人を相手に練習を頼むのは申し訳ないけれど、AI相手なら何十回でも付き合ってくれる。これは本当にありがたいです。

面接そのものへの不安が強い方は、ADHD向けIT・エンジニア転職完全ガイド2026|特性を活かして年収アップを実現する方法も参考になります。

活用シーン5:1日の段取りとスケジュールを組ませる

朝、やることが10個あるのに、どれから手をつけるか決められずに固まる。気づけば一番どうでもいいタスクから始めている。ADHDあるあるです。

僕は朝、その日にやることを頭から全部吐き出して(ブレインダンプと言います)、AIに整理を頼みます。

以下が今日やることリストです。緊急度と重要度で優先順位をつけ、午前・午後に振り分けた現実的なスケジュールにしてください。集中力が続かないので、1つの作業は最大90分とし、間に休憩を入れてください。

(やることを思いつくまま全部書く)

頭の中がごちゃごちゃのまま書き出しても、AIが「これは今日じゃなくていい」「これは午前の集中時間にやるべき」と整理してくれます。自分で優先順位をつけようとすると全部「最重要」に見えてしまうので、外から客観的に並べ替えてもらえるのが助かります。

ただ、AIが組んだスケジュール通りに動けないこともしょっちゅうあります。それでいいんです。完璧に守る計画表ではなく、「迷ったときに戻ってこられる地図」くらいに考えておくと、自分を責めずに済みます。

AIに任せてはいけないこと【ここが一番大事】

ここまで便利な話ばかりしてきましたが、AIは万能ではありません。むしろ、使い方を間違えると信用を失います。当事者として、ここだけは強く伝えたいです。

  • 機密情報・個人情報を入れない:顧客名、社内の非公開情報、マイナンバーなどを入力するのは厳禁です。会社にAI利用のルールがある場合は必ず確認してください。
  • 情報の正確性を鵜呑みにしない:前述のハルシネーションがあります。事実・数字・法律や制度の話は、必ず公式の情報源で裏を取ってください。
  • 最終判断は自分でする:AIの提案はあくまで「たたき台」です。送る・出す・決めるの最後は、自分の責任で行います。
  • 依存しすぎない:全部AIに丸投げすると、自分で考える力が落ちることもあります。「苦手を補う杖」であって「自分の代わり」ではない、という距離感が大切だと感じています。

そしてもう一つ。AIは発達障害を「治す」ものではありません。困りごとをラクにする道具であって、医学的な治療や診断の代わりにはなりません。診断や治療については、必ず医療機関に相談してください。この線引きは、ずっと忘れないでほしいと思います。

「AIを使える」こと自体が、これからの武器になる

最後に、少し未来の話をさせてください。

僕が伝えたいのは、AIを使いこなせる人が、これからの職場で重宝されるということです。これは発達障害のあるなしに関係ありません。むしろ、苦手をAIで補いながら自分の得意に集中できる人は、強いです。

僕自身、もともとエンジニアという仕事を選んだのも、「曖昧な空気を読む」より「論理で動く」ほうが自分に合っていたからでした。そしてAIという道具が加わったことで、苦手だった段取りや文章まで補えるようになり、年収1200万円のフルリモートにたどり着けました。特別な才能があったわけではありません。自分の特性に合う環境と、それを補う道具を見つけただけです。

もしあなたが「AIを武器にして、もっと自分に合う働き方をしたい」と思ったなら、IT・エンジニア領域は本当におすすめです。AIとの相性がいい仕事ですし、リモートワークも多い。未経験から目指す方法は未経験から発達障害エンジニアになる方法|プログラミング学習ロードマップとおすすめスクールにまとめています。

「エンジニアはちょっとハードルが高い」という方も、自分の特性を活かせる仕事は他にもたくさんあります。発達障害の特性を活かせる職種15選|強みを仕事に変える適職ガイドで、強みから逆算して探してみてください。


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AIで苦手を補えるようになっても、「そもそも今の職場が自分に合っていない」という根本的な悩みは残ることがあります。

AIを武器にできる仕事、特性に配慮してもらえる職場、リモートで働ける求人。こうした選択肢を一人で探すのは大変です。そんなときは、発達障害の特性を理解した転職エージェントに相談してみてください。無料で利用でき、あなたの強みを活かせる職場を一緒に探してくれます。

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まとめ:苦手はAIに預けて、得意に集中しよう

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • ADHD・ASDの困りごとの多くは「段取り(実行機能)」に集中していて、ChatGPTはそこを外から補える
  • タスク分解、メールの下書き、長文要約、会話の練習、1日の段取りなど、コピペで試せる場面はたくさんある
  • AIは「たたき台」を作る相棒。最終判断は自分で行い、機密情報は入れず、正確性は必ず確認する
  • AIは発達障害を「治す」ものではなく、苦手をラクにする道具。診断・治療は医療機関へ
  • AIを使いこなせること自体が、これからの働き方の武器になる

全部を一度にやろうとしなくて大丈夫です。まずは今日いちばん面倒だと感じる作業を一つ選んで、ChatGPTに頼んでみてください。「あ、これラクだ」という体験が一つでもあれば、それがあなたの新しい働き方の入り口になります。

ご注意

この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。

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この記事を書いた人

りく

  • ADHD当事者
  • 転職5回経験
  • 現役エンジニア
  • フルリモート勤務

社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収1200万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。

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