障害者雇用の給料は低い?平均年収データと発達障害者が収入を上げる5つの方法

「障害者雇用って給料が安いって聞くけど、実際どのくらい?」「一般雇用との差はどれくらいあるの?」「給料が低いまま、ずっと我慢するしかないの?」
障害者雇用での就職や転職を考えるとき、給料は最も気になるポイントのひとつです。ネット上では「障害者雇用は給料が安い」という情報が目立ちますが、実際にはデータを正しく理解することで、自分に合った選択ができるようになります。
この記事では、厚生労働省の調査データをもとに障害者雇用の平均給料を障害種別・雇用形態別にわかりやすくまとめ、発達障害者が収入を上げるための具体的な方法を紹介します。
障害者雇用の平均給料はいくら?
まずは、厚生労働省「障害者雇用実態調査」のデータから、障害種別の平均月収を見てみましょう。
障害種別の平均月収
障害種別 | 平均月収 | 推定年収(賞与含む) | 週所定労働時間 |
|---|---|---|---|
身体障害者 | 約23.5万円 | 約280万円 | 32.1時間 |
知的障害者 | 約13.7万円 | 約164万円 | 27.6時間 |
精神障害者 | 約14.9万円 | 約179万円 | 26.7時間 |
発達障害者 | 約13.0万円 | 約156万円 | 26.4時間 |
発達障害者の平均月収は約13万円で、障害種別の中では最も低い水準です。ただし、この数字には重要な背景があります。
なぜ発達障害者の平均給料は低いのか
平均値が低く見える主な理由は以下の3つです。
1. 非正規雇用の割合が高い
発達障害者の雇用形態を見ると、パート・アルバイトなどの非正規雇用が約6割を占めます。正社員と非正規では当然給料に大きな差があるため、全体の平均が下がります。
2. 週の労働時間が短い
発達障害者の平均週所定労働時間は26.4時間と、フルタイム(40時間)より大幅に短くなっています。体調管理やストレス軽減のために短時間勤務を選ぶ方が多いことが反映されています。
3. 勤続年数が短い傾向がある
転職を繰り返しやすい特性もあり、勤続年数が短いと昇給の機会が限られます。長く働き続けることで給料が上がるケースは多いです。
つまり、正社員としてフルタイムで働く発達障害者の給料は、平均値よりもかなり高いということです。
一般雇用と障害者雇用の給料を比較
「一般雇用のほうが給料は高いのでは?」と考える方も多いでしょう。実際の比較を見てみましょう。
比較項目 | 一般雇用 | 障害者雇用 |
|---|---|---|
平均年収 | 約460万円 | 約156〜280万円 |
正社員率 | 約63% | 約30〜50% |
配慮・支援 | 基本的になし | 合理的配慮あり |
職場定着率 | -- | 高い傾向 |
精神的負担 | 特性の隠蔽負担 | 特性を開示して働ける |
数字だけ見ると、一般雇用のほうが年収は高く見えます。しかし、障害者雇用とは?一般雇用との違いでも解説しているように、一般雇用で障害を隠して働くことには大きなリスクがあります。
「一般雇用で年収400万だったけど、特性を隠すストレスで体を壊して休職。結局、障害者雇用に切り替えて年収は下がったけど、長く安定して働けるようになりました」(30代・ADHD)
**大切なのは、年収の絶対値ではなく「長期的に安定して稼げるか」**という視点です。高い給料をもらっても、体調を崩して退職すれば収入はゼロになります。
障害者雇用の給料は上がるのか
「障害者雇用で働き始めたら、ずっと今の給料のまま?」という不安を持つ方も多いですが、給料を上げる方法はあります。
雇用形態別の昇給の可能性
雇用形態 | 昇給の可能性 | ポイント |
|---|---|---|
正社員 | 高い | 定期昇給・昇格あり |
契約社員 | 中程度 | 更新時に交渉可能、正社員登用制度も |
パート・アルバイト | 低い | 時給アップの交渉は可能 |
正社員として障害者雇用で働いている場合、一般社員と同じ人事制度が適用されることが多く、評価によって昇給・昇格のチャンスがあります。
発達障害者が収入を上げる5つの方法
ここからは、障害者雇用で働く発達障害者が実際に収入を上げるための具体的な方法を紹介します。
方法1: 正社員を目指す
非正規から正社員になるだけで、年収が100万円以上変わることも珍しくありません。
正社員になるルート
- 今の職場で正社員登用を目指す - 契約社員からの登用制度がある企業は多い
- 正社員求人で転職する - 障害者雇用でも正社員の求人はある
- 紹介予定派遣を活用する - 一定期間後に正社員化前提の雇用形態
発達障害向け転職エージェント7社比較で紹介しているエージェントでは、正社員求人を中心に紹介してくれるところもあります。
方法2: フルタイム勤務に移行する
体調が安定してきたら、短時間勤務からフルタイムへの移行を検討してみてください。週20時間から週40時間に変更するだけで、単純に給料は2倍になります。
ただし、無理に時間を増やすと体調を崩すリスクもあります。主治医や支援者と相談しながら、段階的に時間を延ばしていくのがおすすめです。
方法3: スキルを身につけて職種を変える
障害者雇用で給料が低くなりやすい職種と、比較的高い職種があります。
給料が低めの職種 | 給料が高めの職種 |
|---|---|
軽作業・清掃 | IT・エンジニア |
事務補助 | 経理・会計 |
データ入力 | Webデザイン |
庶務・雑務 | 人事・法務 |
特にIT系のスキルは、障害者雇用でも高い給料につながりやすい分野です。発達障害の特性を活かせる職種15選では、特性別に向いている高収入の仕事を紹介しています。
方法4: 給与交渉をする
意外に思われるかもしれませんが、障害者雇用でも給与交渉は可能です。発達障害エンジニアの給与交渉術でも詳しく解説していますが、ポイントは以下の3つです。
- 自分の貢献を数字で示す(「データ入力のミス率を5%から1%に改善した」など)
- 市場相場を調べておく(同じ職種・経験年数の相場を把握)
- 転職エージェントに代行してもらう(自分で交渉が難しい場合)
方法5: 転職で年収アップを狙う
同じ障害者雇用でも、企業によって給料は大きく異なります。特に大手企業やIT企業は、障害者雇用でも比較的高い給料を設定しているところがあります。
「中小企業の障害者雇用で月収18万円だったのが、大手IT企業に転職して月収28万円になりました。障害者雇用の給料は会社によって全然違います」(30代・ASD)
転職で年収アップを成功させるには、障害者雇用の求人に強い転職エージェントを活用するのが近道です。
障害者雇用でも年収400万円以上は可能?
結論から言えば、可能です。以下のような条件を満たすと、障害者雇用でも高い年収を得られます。
年収400万円以上のイメージ
- 大手企業の正社員(障害者雇用)
- IT・エンジニア系の専門職
- 勤続年数5年以上で昇格実績あり
- フルタイム勤務
ただし、全員がこれを目指す必要はありません。自分の体調や生活スタイルに合った働き方を選ぶことが、長期的には最も大切です。
クローズ就労(障害非開示)の給料は?
一般雇用として障害を隠して働く「クローズ就労」の場合、給料自体は一般社員と同じです。しかし、発達障害のクローズ就労完全ガイドでも解説しているように、特性による困りごとを自力で対処する必要があり、体調を崩して退職するリスクが高まります。
比較 | 障害者雇用(オープン) | クローズ就労 |
|---|---|---|
初任給 | やや低い | 一般と同等 |
生涯年収 | 安定して積み上がる | 退職リスクで途切れる可能性 |
配慮 | あり | なし |
定着率 | 高い | 低め |
短期的な給料だけでなく、「何年間安定して働き続けられるか」を含めた生涯年収で考えることをおすすめします。
まずはプロに相談してみませんか?
「障害者雇用で給料を上げたい」「自分に合った条件の求人を見つけたい」
そんな方は、障害者雇用の求人に詳しい転職エージェントに相談してみてください。非公開求人の中には、一般には出回らない好条件の求人が含まれていることがあります。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
障害者雇用の求人数業界最大級 | 選択肢を広げて好条件を見つけたい方 | |
障害者転職支援実績No.1 | 手厚いサポートで年収アップしたい方 |
すべて無料で利用できます。「今の給料が適正なのか知りたい」という相談だけでもOKです。
まとめ
障害者雇用の給料が一般雇用より低い傾向があるのは事実です。しかし、その理由の多くは雇用形態や労働時間の違いによるもので、工夫次第で収入を上げることは十分可能です。
収入アップのための5つのステップ
- まずは正社員を目指す(正社員と非正規で年収100万円以上の差)
- 体調に合わせてフルタイムへ移行する
- 市場価値の高いスキルを身につける(特にIT系)
- 現職での給与交渉にチャレンジする
- より好条件の企業に転職する
「給料が低いから障害者雇用は選ばない」と決めつける前に、まずは情報を集めてみてください。障害者雇用だからこそ得られる安定性や配慮は、長い目で見れば大きな価値があります。
ご注意
この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
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