発達障害で仕事を辞めたいと感じたら|退職前に考えるべきことと次の一歩の見つけ方

発達障害全般10分で読めます

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます

発達障害で仕事を辞めたいと感じたら|退職前に考えるべきことと次の一歩の見つけ方
この記事をシェア

「もう限界かもしれない」「毎朝、会社に行くのがつらい」「自分にはこの仕事は向いていないんじゃないか」

発達障害のある方が「仕事を辞めたい」と感じるのは、甘えではありません。特性と環境のミスマッチが続けば、誰でもそう感じます。

ただし、衝動的に辞めてしまうと後悔することもあります。特にADHDの特性として感情の変動が大きく、つらい状況が続くと即座に行動に移したくなることがあります。

僕自身、ADHDと診断されたエンジニアで転職を5回経験しています。そのうち2社は「もう限界」と逃げるように辞めた転職、残りはちゃんと準備して辞めた転職でした。後者のほうが圧倒的に「辞めて正解だった」と思える転職になっています。

この記事では、「辞めたい」と感じたときに冷静に判断するための基準と、退職前にやるべき準備、辞めた後の選択肢を、僕自身の経験も交えて紹介します。

「辞めたい」の原因を整理する

まず、「なぜ辞めたいのか」を具体的に言語化しましょう。原因が明確になれば、「辞めるしかない」のか「環境を変えれば解決するのか」が見えてきます。

よくある「辞めたい」の原因

原因

該当しやすい特性

環境調整で解決する可能性

仕事のミスが多くて叱られる

ADHD(不注意)

中〜高(業務内容の変更で改善)

人間関係がつらい

ASD・ADHD

中(配置転換で改善の可能性あり)

マルチタスクについていけない

ADHD

高(業務整理で改善しやすい)

感覚過敏でオフィスがつらい

ASD

高(リモートワークや席の配慮)

仕事に興味が持てない

ADHD

低(根本的なミスマッチの可能性)

暗黙のルールについていけない

ASD

中(配慮申請で改善の余地あり)

体調不良が続いている

共通(二次障害の兆候)

要注意(休職を検討)

僕が3社目で「また辞めたい」と思ったとき、初めて立ち止まって原因を分析しました。すると、3社とも「マルチタスクが多い職場」だったんです。辞めたい原因は自分ではなく、環境の選び方にあると気づきました。それ以降は職業職そのものではなく「マルチタスクの多さ」を判断軸に職場を選ぶようになりました。

特に「体調不良が続いている」場合は要注意です。発達障害の二次障害を防ぐ方法でも解説していますが、うつや不安障害などの二次障害に発展する前に対処することが大切です。

「今すぐ辞める」と「3ヶ月後に辞める」の判断フロー

原因を言語化したら、「いつ辞めるか」を冷静に判断するフローを使ってみてください。

状況

推奨の判断

希死念慨・重い体調不良がある

すぐに休職・受診(辞める判断は必ず医師と相談)

パワハラや長時間労働など雇用保護上の問題

証拠を掻えてさっさとその職場から離脱(労基他に相談)

業務内容・人間関係・勤務環境でつらい

まず配慮申請・部署異動を試し、それでも原状況だったら3ヶ月以内に転職

マンネリや接し込みで辞めたいという気持ち

1ヶ月考える期間を置く。その間に転職エージェントや休仮を使う

仕事とのミスマッチとは思うが体調は大丈夫

在職中に転職活動を進めるのがベスト(ブランクゼロ)

僕の失敗例:4社目は逃げるように仕事を辞めてしまい、3ヶ月職につけず人生で一番メンタルが崩れた時期を送りました。逆に5社目は、体調不良が出た時点で主治医に相談して「付いて転職活動」を始め、3ヶ月で次を決めてから辞めました。同じ「辞める」でも、準備して辞めるとその後がだいぶ楽になります。

辞める前に試したい3つのこと

衝動的に退職届を出す前に、以下の選択肢を検討してみてください。

1. 合理的配慮を申請する

障害者雇用で働いている方はもちろん、一般雇用でも合理的配慮を求めることができます。2024年4月から、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました(障害者差別解消法改正)。「配慮を申請したことがない」という方は、まだ環境を変える余地があるかもしれません。

申請できる配慮の例

  • 業務の優先順位を明確に指示してもらう
  • マルチタスクを避け、一つずつ作業を割り振ってもらう
  • リモートワークや時短勤務への切り替え
  • 静かな作業環境の確保
  • 口頭指示をチャットやドキュメントで補う

配慮を交渉する際の言語化の仕方は職場での合理的配慮の求め方完全ガイドで詳しく解説しています。

2. 部署異動を相談する

今の業務内容や上司との相性が合わないだけで、同じ会社の別部署なら働けるケースもあります。人事担当者に「特性に合った業務に変更できないか」と相談してみましょう。

転職よりもリスクが低く、使える手だと意識しておいてダメージはありません。

3. 休職して回復する

「辞めたい」の背景に、うつ症状や極度の疲労がある場合は、まず休むことが最優先です。発達障害で休職したときの過ごし方と復職ガイドでは、休職中の過ごし方から復職までの具体的なステップを紹介しています。

休職で使える制度

  • 傷病手当金:業務外の病気・ケガで務められないとき、最長通算1年ち6ヶ月、給与の約2/3が支給されます(出典: 全国健康保険協会
  • 会社の休職制度:企業によって、無給でも雇用関係を維持できる期間が規定されています

「辞める寸前まで追い詰められていたとき、主治医に勧められて3ヶ月休職しました。頭がクリアになった状態で考え直したら、『辞めたい』のではなく『休みたい』だったと気づきました」という体験談はよく聞きます。休むことも、正当な選択肢の一つです。

それでも状況が改善しない場合は、転職エージェントに相談して「自分に合った環境」を探し始めるのも前向きな一歩です。dodaチャレンジなら、発達障害の特性を理解したアドバイザーが、特性に合った職場を一緒に探してくれます。

退職を決断したら準備すること

「やっぱり辞める」と決めた場合、退職後に困らないための準備を進めましょう。

退職前のチェックリスト

準備項目

詳細

期限の目安

転職先の目処をつける

在職中に転職活動を始めるのがベスト

退職の2〜3ヶ月前

傷病手当金の確認

心身の不調がある場合は受給の可能性あり

退職前に申請

失業保険の条件確認

自己都合退職は給付まで約2ヶ月の待機期間

退職前に確認

生活費の確保

最低3ヶ月分の生活費を貯めておく

退職前に準備

障害者手帳の取得検討

次の転職で障害者雇用を検討するなら

取得まで1〜2ヶ月

主治医への相談

退職のタイミングや今後の治療方針を確認

退職前に相談

有人休暇の消化

残休を使い切ってから退職すると損しない

退職日の逆算で

退職を伝える具体的なテンプレート

「何と言って辞めそう」で迷う人は多いです。僕が使っていたシンプルな伝え方を共有します。

上司への切り出し(1on1などの個別面談で)

「お忙しいところさん事息すみません。実は今後のキャリアについてご相談したいことがありまして、退職を考えています。【退職希望日】を最終出勤日としていただきたいと思っております」

ポイントは3つ:

  • 「退職したい」ではなく「退職を考えている」と伝える(決意はしているが説得の扳を残さずにすむ)
  • 退職希望日を具体的に伝える(法律上は2週間前でOKだが、現実的には1ヶ月前がスムーズ)
  • チャット・メールでもOK(口頭で伝えるのが辛い場合は文面で伝えても問題なし)

引き留められそうなときの対応

「ご考慮いただきありがとうございます。ただ、今回の決断は体調も考慮した上で主治医とも相談した結果なので、退職させていただきたく思います」

ダメだとわかると人事部にエスカレートしてもらうのがスムーズです。退職は労働者の権利なので、会社側は拒否できません。

在職中に転職活動を始めるメリット

  • 収入が途切れないため、焦らず選べる
  • 「仕事をしていない」ことへの不安がない
  • 内定後に退職できるため、ブランク期間が最小限
  • 市場価値を確認できる(これだけでも転職エージェント登録の価値あり)

発達障害の転職で失敗しない7つのポイントでは、転職活動の進め方を詳しく解説しています。

辞めた後の選択肢

退職後の進路は一つではありません。自分の状態に合わせて選びましょう。

すぐに働ける状態の場合

転職エージェントを活用して、特性に合った職場を探しましょう。「辞めて出てしまった」人は、ブランクを伸ばさないためも、できるだけ早めに動き出したほうがいいです。

もう少し準備が必要な場合

就労移行支援を利用して、スキルアップや自己理解を深めてから就職を目指す方法があります。原則最長2年間、多くの方が無料で利用できます。詳細は就労移行支援とは?就労支援サービス徹底比較を参考にしてください。

まだ働ける状態ではない場合

心身の回復が最優先です。自立訓練(生活訓練)で生活リズムを整えることから始められます。エンラボカレッジは、就労移行支援の前段階として、生活リズムの改善や社会復帰の準備をサポートしてくれるサービスです。

フリーランス・独立を考える場合

会社勤めが背中に合わないと感じている人は、フリーランスや起業も選択肢です。ただし、それなりのスキルと貯蓄(6ヶ月分以上推奨)が必要です。本業中に副業で試してから判断するのが安全です。詳細は発達障害者のための起業・独立準備ガイドをご覧ください。

あなたに合ったサポートを見つける

「辞めたい」と感じている状況別に、利用できるサービスを整理しました。

状況

おすすめサービス

特徴

特性に合った転職先を探したい

dodaチャレンジ

障害者雇用の求人数業界最大級。特性を伝えた上で職場を紹介してもらえる

転職のサポートを手厚く受けたい

atGP

障害者転職支援実績No.1。就職後の定着支援もあり

スキルを身につけてから再就職したい

ミラトレ

パーソルグループ運営。就職率84.8%・定着率90%

まず生活リズムを整えたい

エンラボカレッジ

自立訓練(生活訓練)で社会復帰の準備ができる

どのサービスも登録・相談は無料です。「まだ辞めると決めていない」段階でも大丈夫。一人で抱え込まず、まずは無料相談で選択肢を整理してみてください。

dodaチャレンジで合う職場を無料相談する →

atGPで転職サポートを受ける →

すべて無料で利用できます。「まだ辞めると決めたわけではないけど、選択肢を知っておきたい」という段階でも相談できます。僕も転職を考えるたびにエージェントに登録して、「今の会社で続けるべきか」をアドバイザーと話しながら考えていました。

まとめ

「仕事を辞めたい」と感じることは、発達障害のある方にとって珍しいことではありません。大切なのは、衝動的に動くのではなく、原因を整理し、使える選択肢を把握した上で判断することです。

僕自身の経験から言えるのは、「辞める」こと自体はダメじゃないということ。ただ、「逃げるように辞める」と「準備して辞める」では、その後の人生が全く違います。この記事を読んでいるあなたは、もう「準備する側」に回れています。

今日から始められる3つのアクション

  1. 「辞めたい理由」を紙に書き出して、環境調整で解決できるものとできないものに分ける
  2. まだ試していない対策(配慮申請、部署異動、休職)がないか確認する
  3. 転職エージェントや就労移行支援の無料相談を一つ予約してみる

焦る必要はありません。転職活動メンタルケアも参考にしながら、自分のペースで次の一歩を考えてみてください。

転職を視野に入れるなら、発達障害向け転職エージェント7社比較で、配慮を受けながら働ける求人の探し方を確認しておくとスムーズです。

ご注意

この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。

この記事をシェア

この記事を書いた人

りく

  • ADHD当事者
  • 転職5回経験
  • 現役エンジニア
  • フルリモート勤務

社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収1200万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。

運営者情報の詳細を見る