発達障害の障害者雇用完全ガイド|手帳取得・給与・転職の現実を当事者目線で

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発達障害の障害者雇用完全ガイド|手帳取得・給与・転職の現実を当事者目線で
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「障害者雇用に切り替えたら、給料はどれくらい下がるんだろう」

「精神障害者保健福祉手帳って、発達障害でも取れるの?取ったら何ができる?」

「一般雇用で消耗しているけど、本当に障害者雇用に行くべきなのか分からない」

転職を考え始めた発達障害の方が、必ず一度はぶつかる壁です。運営者自身、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されたあと、精神障害者保健福祉手帳を取るかどうかで半年以上迷いました。診断書の費用、申請の手間、職場での扱いがどう変わるのか。情報を集めても、どれも断片的で「結局自分はどうしたらいいのか」が見えてこなかったのを覚えています。

この記事では、発達障害(ADHD/注意欠如・多動症、ASD/自閉スペクトラム症)のある方が障害者雇用を検討するときに知っておくべきことを、厚生労働省の一次情報と運営者の体験をもとに整理しました。

読むとわかること:

  • 障害者雇用と一般雇用の制度的な違いと、給与・働き方の実態
  • 精神障害者保健福祉手帳の取得手順・費用・期間
  • 発達障害で手帳を取るメリットとデメリットの両面
  • 障害者雇用への転職フローと、よくある誤解
  • 自分にとって障害者雇用が向いているかの判断材料

センシティブなテーマのため、断定は避け、出典のある一次情報を中心に構成しています。最終的な判断材料として読んでいただければと思います。

障害者雇用とは|発達障害も対象になる制度の基本

障害者雇用とは、障害者雇用促進法に基づき、障害のある方が障害者手帳を所持して、配慮を受けながら働ける雇用形態のことです。企業には一定割合以上の障害者を雇用する義務(法定雇用率)が課されており、発達障害も精神障害者保健福祉手帳を取得すれば対象になります。

制度の根拠となっているのは、厚生労働省の障害者雇用対策です。民間企業の法定雇用率は、2024年4月から2.5%、2026年7月からは2.7%へと段階的に引き上げられる予定で、対象事業主の範囲も段階的に拡大されます。つまり、企業側にとって障害者雇用は「やってもやらなくてもよいもの」ではなく、年々強化されている法的義務です。

ここで重要なのが、発達障害単独では、現状「療育手帳」も「身体障害者手帳」も対象外という点です。発達障害で障害者雇用枠を使う場合、ほぼ全員が「精神障害者保健福祉手帳」を取得することになります。略して「精神保健福祉手帳」と呼ばれることもありますが、正式名称は「精神障害者保健福祉手帳」です(厚生労働省 こころの情報サイト 精神障害者保健福祉手帳について)。

運営者が手帳を取る前、「療育手帳のほうが手厚いと聞いたけど、自分は対象になるのか」と悩んだ時期がありました。結論から言うと、知的障害を伴わない発達障害の場合、療育手帳の対象外となる自治体がほとんどで、選択肢は精神障害者保健福祉手帳一択でした。

一般雇用と障害者雇用の決定的な違い5つ

「障害者雇用と一般雇用、何が違うの?」を最初に整理します。表面的には「障害をオープンにするかしないか」だけに見えますが、実際にはもっと深い違いがあります。

違い1: 障害の開示と合理的配慮の有無

障害者雇用では、入社時点で障害をオープンにし、企業に対して合理的配慮を求める権利があります。雇用領域での合理的配慮は2016年4月から事業者の義務として整理されており、2024年4月からは障害者差別解消法の改正で民間事業者全体での合理的配慮の提供が義務化されました(出典: 厚生労働省 雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮)。

一般雇用でも合理的配慮の対象になり得ますが、障害を開示していなければ事業者は配慮の必要性を認識できません。「クローズ就労で頑張る」という選択肢はありますが、配慮交渉のスタートラインに立つこと自体が難しくなります。

合理的配慮の具体的な求め方は、職場での合理的配慮の求め方完全ガイドで詳しく扱っているので、検討中の方は併せて読んでみてください。

違い2: 求人数と職種の幅

一般雇用と比べると、障害者雇用枠は求人数が少なく、職種にも偏りがあります。厚労省の障害者雇用実態調査によれば、発達障害者の就業先はサービス業・卸売業・小売業が多くを占め、事務職や軽作業の比率が高い傾向があります。

ただし、ここ数年でIT・専門職の障害者求人は確実に増えてきている印象があります。運営者が転職活動をしていたときも、エンジニア向けの障害者枠求人は数年前より明らかに選択肢が増えていました。後述しますが、発達障害者向けの転職エージェントを通せば、表に出ない非公開求人にもアクセスできます。

違い3: 給与水準

ここが多くの方が一番気にする部分です。厚労省の障害者雇用実態調査では、発達障害者の平均月給は短時間勤務者を含めるとおおむね13万円台、フルタイム勤務者に絞ると平均15万円台というデータが繰り返し示されています。一般労働者平均と比較すれば、確かに差があります。

ただし「平均」という数字には注意が必要です。

  • 障害者雇用には短時間勤務者・契約社員が多く含まれる
  • 一般労働者の平均は正社員フルタイムが中心
  • 単純比較は条件が異なる

「障害者雇用=必ず低賃金」ではなく、「条件が違うので平均値の単純比較では語れない」というのが実態に近いです。詳細な統計は厚生労働省 障害者雇用実態調査を確認してください。

違い4: 雇用形態と勤続年数

障害者雇用は非正規雇用(契約社員・パート)の割合が高い傾向にあります。これが平均賃金を押し下げている要因の一つでもあります。ただ、契約社員や派遣には人間関係の固定回避など特性と相性のよい面もあります(派遣・契約社員が向いているケースと選び方)。

一方で、近年は「正社員前提の障害者雇用枠」を打ち出す企業も増えており、応募時点で雇用形態をしっかり確認することが大事です。

違い5: キャリアパスと昇進

正直に書きます。障害者雇用枠でも昇進・昇給はあり得ますが、一般雇用と比べて明確なキャリアパスが用意されていない企業が多いのが実情です。「障害者雇用枠で入社→ずっと同じ業務」という設計の会社も少なくありません。

逆に言うと、入社前に「キャリアパスがあるかどうか」「昇給制度はどうなっているか」を確認できるかどうかで、長期的な働き方が大きく変わります。

精神障害者保健福祉手帳の取得手順と費用

障害者雇用で働くには、原則として障害者手帳が必要です。発達障害の方は、精神障害者保健福祉手帳を取得することになります。手帳の制度・等級判定基準は厚生労働省 こころの情報サイトに詳しく掲載されています。

取得までの基本ステップ

申請の流れは概ね以下のようになります(自治体によって細かい違いがあるため、必ずお住まいの市区町村の福祉窓口で確認してください)。

ステップ

内容

期間の目安

1. 初診から6か月経過を待つ

申請には「初診日から6か月以上経過した時点」での診断書が必要

初診から6か月以上

2. 主治医に診断書を依頼

専用様式の診断書を主治医に作成してもらう

2〜4週間

3. 市区町村窓口に申請

診断書、申請書、写真、本人確認書類を持参

即日受付

4. 自治体による審査

都道府県の精神保健福祉センター等で判定

1〜2か月

5. 手帳交付

等級が記載された手帳を受け取る

申請から1.5〜2か月

つまり、診断を受けた直後に手帳を取ろうとしても、初診から6か月経過の壁があります。「来月転職活動で使いたい」では間に合わないケースが多い、という点は最初に知っておくべきだと思います。

費用の目安

申請手続き自体は無料ですが、診断書の作成料が必要になります。費用は医療機関によって幅があり、おおむね3,000円〜10,000円程度です。運営者が手帳を申請したときは、診断書だけで6,000円ほどかかりました。

「6,000円って高いな」と最初は思ったのですが、後述する税金控除や交通機関の割引で初年度のうちに元は取れる、というのが個人的な実感です。とはいえ、手帳取得は経済的メリットだけで判断するものではないので、あくまで参考程度に。

等級の判定基準

精神障害者保健福祉手帳には1級・2級・3級の3段階があります。等級は症状の重さと日常生活への影響度を総合的に判断して決定されます。

等級

状態の目安

1級

日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度

2級

日常生活が著しい制限を受けるか、又は著しい制限を加えることを必要とする程度

3級

日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は制限を加えることを必要とする程度

発達障害単独の場合、3級が交付されるケースが多い印象ですが、症状や生活への影響によって2級が交付されることもあります。等級は医師の診断書と自治体の審査で決まるため、自分の希望で選べるものではありません。

発達障害で手帳を取るメリット・デメリット

ここからは、実際に手帳を取ったときに何が変わるのか、メリットとデメリットの両面から整理します。手帳取得はメリットだけでなくデメリットも理解した上で決めることが大切なので、できる限りフラットに書いていきます。

メリット

1. 障害者雇用枠で働けるようになる

最大のメリットはこれです。後述の合理的配慮や、特性に応じた業務設計を受けられる職場にアクセスできます。

2. 税金の控除

所得税・住民税の障害者控除が受けられます。3級でも年27万円(所得税)、26万円(住民税)の所得控除があり、年収によりますが年間で数万円の節税になります。

3. 各種公共料金・サービスの割引

自治体やサービス事業者によって差はありますが、以下のようなものがあります。

  • 公共交通機関の運賃割引(多くの地域でJRや私鉄に適用)
  • 携帯電話料金の障害者割引(大手キャリア各社)
  • 公共施設の入場料減免
  • NHK受信料の減免(一定条件下)

4. 障害者向け就労支援サービスの利用

ハローワークの障害者専門窓口、就労移行支援、障害者向け転職エージェントなど、手帳がないと利用できない・利用しづらいサービスがあります。

5. 障害基礎年金等への手続きが進めやすくなる

手帳と障害年金は別制度ですが、手帳取得を機に「自分が制度上どこに位置づけられるのか」が整理され、年金等の検討もしやすくなります(年金の受給要件は別途確認が必要)。

デメリット

1. 障害者であることが書類に残る

手帳は自治体が交付する公的書類のため、申請履歴は残ります。ただし、就職先や知人に通知されるわけではなく、自分から開示しない限り他人に知られることはありません。

2. 診断書費用と手間

前述のとおり、診断書代と申請のための時間が必要です。

3. 心理的なハードル

「自分は障害者なんだ」と認めることへの抵抗感は、人によっては大きいかもしれません。運営者自身、最初は手帳を持つことに対して「線を引かれてしまう感じ」があり、しばらく申請に踏み切れませんでした。今振り返ると、それは思い込みだったと感じますが、当時のその感覚自体は正直なものだったと思います。

4. 更新が必要

精神障害者保健福祉手帳は2年に1回の更新が必要で、その都度診断書が要ります。永続的に維持される手帳ではない、という点は知っておく価値があります。

5. 障害者雇用枠での給与水準

これはデメリットというより「現実」ですが、前述のように一般雇用と比べて給与水準が低めの求人が多いのは事実です。ただし、これは「手帳を取ること」のデメリットというより、「障害者雇用枠を使うこと」のデメリットなので、手帳を取得した上で一般雇用枠(クローズ就労)を続けることも可能です。

ここまで読んで、「手帳取得=障害者雇用での就労、と直結しているわけではない」という点に気づいた方もいるかもしれません。手帳は持っていても、開示するかどうかは自分の選択です。これは結構大事なポイントだと思っています。

障害者雇用の給与・年収のリアル

「障害者雇用は給料が安い」というのは、よく聞く話です。実際のデータと現実を整理します。

給与水準を上げる現実的なルート

運営者の知る範囲でも、障害者雇用枠で年収400万〜500万円台で働く方は存在します。給与水準を上げるための要素は概ね以下の3つです。

  1. 専門スキル(IT、経理、語学など職種そのものの市場価値)
  2. 企業規模(大手企業のほうが障害者雇用枠でも待遇が良い傾向)
  3. 正社員雇用かどうか(契約社員と正社員では大きな差)

特に1のスキルは大きく、エンジニアやデザイナーなど専門職での障害者雇用は、給与レンジが事務職系とは別物になることが多いです。具体的な戦略はADHD向けIT・エンジニア転職完全ガイドに整理しています。

事務職での収入アップを検討している方は、発達障害でも事務職で活躍できる|ADHD・ASDの特性を活かす仕事術と職場選びのコツもあわせて読んでみてください。事務職全般に「向いてない」と感じている方は、ADHDで事務職は向いてない?5つの場面と3つの戦略を当事者が解説で職種転換の判断軸も整理しています。

障害者雇用が向いている人、一般雇用のまま頑張る方が良い人

ここまで制度面の話をしてきましたが、「結局、自分はどちらを選ぶべきか」という問いに答えていきます。あくまで一般的な傾向で、最終判断は個人の状況によります。

障害者雇用が向いている人の特徴

以下のような状況に複数当てはまる方は、障害者雇用の選択肢を真剣に検討する価値があると思います。

  • 一般雇用で過重なストレスを抱え、心身の不調が長引いている
  • 二次障害(うつ、不安障害など)を発症している、または発症リスクが高い
  • 配慮なしには働けないと自覚している(感覚過敏、過集中、対人疲労等が深刻)
  • すでに退職と再就職を短期間で繰り返し、キャリアが安定しない
  • 給与より「働き続けられること」を優先したい
  • 主治医や支援者から障害者雇用を勧められている

一般雇用のまま頑張る方が良い人の特徴

一方で、以下に複数当てはまる方は、一般雇用継続(あるいはクローズ就労)も十分にあり得る選択肢です。

  • 専門スキルがあり、市場価値の高い職種で働いている
  • 現職で大きな問題なく働けている(特性への自己対処ができている)
  • 給与水準を下げたくない、家計上下げられない
  • 配慮を求めなくても、自分なりの工夫で乗り切れている
  • 障害をオープンにすることへの心理的抵抗が大きい

「一般雇用で頑張る」は決して悪い選択ではありません。運営者自身、エンジニアとして一般雇用枠で働き続けている当事者の一人です。

第3の選択肢:手帳を取って一般雇用継続

意外と知られていないのですが、「手帳を取得しつつ、しばらく一般雇用で働き続ける」という戦略も成立します。

メリットは以下のとおりです。

  • いざ転職するとき、障害者雇用枠への切り替えがすぐにできる
  • 税控除や各種割引は手帳を持っていれば受けられる
  • 主治医との関係や診断の継続管理がしやすくなる
  • 万一の体調悪化時に、休職・退職・転職の選択肢が広がる

「保険」として手帳を取得しておく、という発想です。運営者はこのスタンスでした。

障害者雇用への転職フロー

障害者雇用枠での転職を本格的に検討する場合のステップを整理します。

ステップ1: 自己理解と希望条件の整理

まず最初にやるべきは、自分の特性と希望条件の言語化です。

  • 自分の特性(強み・苦手)
  • 必要な配慮(環境、業務量、コミュニケーション方法など)
  • 譲れない条件(勤務地、勤務時間、給与下限、業種など)
  • 優先順位

これがあやふやだと、面接で配慮事項を伝えるときに説得力が出ません。

ステップ2: 障害者向け転職エージェント・ハローワークの活用

障害者雇用枠の求人は、一般の転職サイトだけでは見つけにくい部分があります。以下のチャネルを併用するのが定石です。

チャネル

特徴

ハローワーク(障害者専門窓口)

求人数が多く無料。地域密着型

障害者向け転職エージェント

担当者によるサポートが厚い。非公開求人あり

一般転職サイトの障害者枠特集

大手企業の求人が中心

就労移行支援事業所経由

訓練と転職支援を一体化

各エージェントの比較は発達障害向け転職エージェント7社比較【2026年版】で具体的に解説しているので、複数登録する前に一度目を通すことをおすすめします。

ステップ3: 書類作成と配慮事項の言語化

履歴書・職務経歴書に加え、障害者雇用では「配慮事項書」や「自己紹介書」を求められることが多いです。

書類で書くべき項目の例:

  • 障害名と等級
  • 主治医からの就労可能の意見
  • 苦手なこと(具体的な業務シーン)
  • 必要な配慮(具体的に)
  • 自分でできる工夫(重要)
  • 強み・貢献できること

「配慮が必要」だけでなく「自分でこういう工夫をしている」とセットで書けると、企業側から見た印象がガラッと変わります。

ステップ4: 面接と配慮交渉

障害者雇用枠の面接では、特性と配慮事項に関する質問が必ず出ます。よくある質問例:

  • 「障害の特性を簡単に教えてください」
  • 「過去にどんな配慮を受けてきましたか」
  • 「ストレスを感じる場面と、その対処法は」
  • 「体調が悪くなったとき、どのように対応しますか」

ここで「とにかく配慮してください」では弱く、「自分の特性は◯◯で、◯◯のような配慮があると安定して働けます。あわせて自分でも◯◯の工夫をしています」と具体的に話せると評価が変わります。

ステップ5: 内定後の条件交渉と入社

内定が出たら、オファー面談で配慮事項の最終確認をします。口頭の合意だけで終わらせず、書面に残しておくと入社後のトラブル防止になります。

運営者が手帳を取ったあと、知人の発達障害エンジニアが障害者雇用枠で大手IT企業に転職しました。彼が一番こだわっていたのが「配慮事項を書面化する」ことでした。「言った言わない」を防ぐためです。実際、入社後の上司が異動して引き継ぎが甘くなったときも、書面があったことで配慮が継続されたそうです。

JEED(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)の障害者雇用支援関連資料には、企業側の制度設計の参考資料が掲載されているので、応募先の制度を読み解くヒントになります。

よくある誤解と現実

最後に、障害者雇用にまつわるよくある誤解を整理しておきます。

誤解1: 「障害者雇用=雑用ばかり」

確かに、コピー、ファイリング、データ入力といった補助業務の求人は多いです。しかし、近年は専門職の障害者枠求人も着実に増えています。エンジニア、デザイナー、経理、人事、マーケティングなど、業種・職種は広がってきている印象です。

誤解2: 「障害者雇用は解雇されにくい」

これは法律上の話と実態の話で分けて考える必要があります。法律上、障害を理由とした不当な解雇は禁止されています。一方で、能力不足や勤怠不良など他の理由による解雇は、障害者雇用でもあり得ます。「絶対に解雇されない」は誤解です。

誤解3: 「一度障害者雇用になると一般雇用に戻れない」

戻れます。障害者雇用で働いた経験を活かして、一般雇用に再就職する方もいます。「障害者雇用=キャリアの終わり」ではありません。

誤解4: 「手帳があると履歴書に書かないといけない」

書く義務はありません。手帳の有無は完全にプライバシーであり、一般雇用に応募する際に開示する必要はありません。ただし、障害者雇用枠で応募する場合は当然開示します。

誤解5: 「障害者雇用は中小企業中心」

これも誤解で、大手企業ほど法定雇用率の遵守義務が厳しく、専任部署を持って積極採用しています。給与水準・福利厚生の面でも、大手の障害者雇用枠は侮れないものがあります。

誤解6: 「障害者雇用に行ったらキャリアアップできない」

企業によります。明確なキャリアパスを持つ企業もあれば、固定業務中心の企業もあります。応募前に「障害者雇用枠での昇進実績」「研修・スキルアップ機会」を確認するのが大事です。

まとめ|手帳取得と障害者雇用は「保険」として捉えるとラク

長くなったので最後に整理します。

  • 障害者雇用は、障害者雇用促進法に基づく制度で、合理的配慮を受けながら働ける枠組み
  • 発達障害の方は精神障害者保健福祉手帳の取得が必要(初診から6か月経過が要件)
  • 給与水準は一般雇用と比べて低めの傾向はあるが、職種・スキル・企業規模で大きく変動
  • 障害者雇用が向いている人、一般雇用継続が向いている人は状況によって異なる
  • 「手帳取得+一般雇用継続」という第3の選択肢もあり得る
  • 法律も法定雇用率も毎年強化されており、企業側の体制は確実に整ってきている

運営者個人としては、診断が出ているなら手帳取得は「保険」として持っておく価値が高いと感じています。取得しても開示するかどうかは選べる。逆に、必要になってから取ろうとしても初診から6か月の壁があり、間に合わないことが多い。だからこそ、迷っているうちに動き出すのが現実的だと思います。

「一般雇用で消耗していて、もう限界が近い」という方は、二次障害が深刻化する前に専門家に相談することを強くおすすめします。一人で抱え込まないでください。働き方の全体像を俯瞰したい場合は、発達障害者にとってフルリモートは天国だった件も参考になります。

大事な注記: 本記事は当事者目線と公的情報を組み合わせた一般的なガイドです。実際の手帳取得・配慮・治療判断は、必ず主治医や産業医、就労支援機関の専門家と相談してください。

障害者雇用への転職を本気で考え始めたら

障害者雇用枠への転職は、一般の転職活動とはかなり違うルールで動いています。「どこに求人があるのか」「配慮事項をどう書類に落とすか」「どの企業がどの障害種別を積極採用しているか」など、独力で全部調べるのはなかなか骨が折れます。

そういう情報は、発達障害者の支援実績がある転職エージェントに相談するのが結局いちばん早かった、というのが運営者の実感です。どちらも登録・相談はすべて無料で、強引な紹介はありません。まずは情報収集のつもりで相談してみるくらいで十分だと思います。

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なお、状況によっては「紹介できる求人がない」と断られることもあります。その場合の動き方はdodaチャレンジに断られたときの次の選択肢にまとめています。

ご注意

この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。

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この記事を書いた人

りく

  • ADHD当事者
  • 転職5回経験
  • 現役エンジニア
  • フルリモート勤務

社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収1200万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。

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